草空間設計
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
このところ、マンションの杭打ちデータ偽造問題が世間をにぎわしています。
以前、姉歯事件というのもありましたね。
建設業界は信用できない。
と思いますか?
「建築の末端作業をしている僕らは、問題に気づいても黙っているしかない」
新聞記者の取材に、現場にたずさわる人はこんなふうに答えたといいます。
新築のマンションでは工期がずれれば入居者への違約金が発生することもあります。
新聞の取材に対して、ある杭打ち業者の社長は「他にもある」と答えています。
支持層に届かない、という状況は現場で計器を見ていればわかります。
杭長さが足りないのは、本来は設計ミス。
「でも、そんなことは上の管理会社や杭の製造会社に言えない。ましてや元請けや事業主になんて・・・。仕事が回ってくるようにするには、とにかく早くやるしかない」
「どうせ杭打ちのやり直しで工期が延びても、僕らの儲けは変わらない。異常を正直に報告してもいいことはない」
ここから見えてくるのは、
「現場」の人たちが仕事に誇りを持てていない現状。
そして、「下の声」を吸い上げることができず、現場のこともわからず、ただ机上の数字だけを頼りに上から目線で「命令」するだけの「上層部」の姿。
安く!
早く!
無駄を極限までなくせ!
そんなかけ声が作り出す「現場」の矛盾やしわ寄せに、弱い立場の人たちは黙って耐えるしかなく、やがて仕事に対する誇りも心も失っていきます。
なにも建設業界だけに限った話ではないと思います。
私は今は、設計者という、いわば「上層部」に属する立場で仕事をしています。
でも、その前は、いろいろな仕事を転々としてきたこともあり、「下」から「上」がどんなふうに見えるかもある程度わかります。
「下」が口を閉ざすとき、というのがどんなときなのか、それもわかります。
だからこそ、
職人の顔が見える家づくり
を訴え続けているのです。
人としての誇りが持てなければ、良い仕事なんてできるわけがない。
「大手だから安心」なのではありません。
現場の仕事は人間がやるんです。
一人一人に心と誇りがあるはずです。
それを金の力でこなごなにしてしまったら・・・
それが表面化したのが今回の事件だろうと、私は思うのです。
人として、その技能に尊敬の念がはらわれたとき、人は最も良い仕事をするのだと、私は思います。
そして、そうありたいと願う仲間とともに、この先も家づくりを進めてゆきたいと、あらためて思います。
草空間設計HP http://island.geocities.jp/hacobera/index.html
以前、姉歯事件というのもありましたね。
建設業界は信用できない。
と思いますか?
「建築の末端作業をしている僕らは、問題に気づいても黙っているしかない」
新聞記者の取材に、現場にたずさわる人はこんなふうに答えたといいます。
新築のマンションでは工期がずれれば入居者への違約金が発生することもあります。
新聞の取材に対して、ある杭打ち業者の社長は「他にもある」と答えています。
支持層に届かない、という状況は現場で計器を見ていればわかります。
杭長さが足りないのは、本来は設計ミス。
「でも、そんなことは上の管理会社や杭の製造会社に言えない。ましてや元請けや事業主になんて・・・。仕事が回ってくるようにするには、とにかく早くやるしかない」
「どうせ杭打ちのやり直しで工期が延びても、僕らの儲けは変わらない。異常を正直に報告してもいいことはない」
ここから見えてくるのは、
「現場」の人たちが仕事に誇りを持てていない現状。
そして、「下の声」を吸い上げることができず、現場のこともわからず、ただ机上の数字だけを頼りに上から目線で「命令」するだけの「上層部」の姿。
安く!
早く!
無駄を極限までなくせ!
そんなかけ声が作り出す「現場」の矛盾やしわ寄せに、弱い立場の人たちは黙って耐えるしかなく、やがて仕事に対する誇りも心も失っていきます。
なにも建設業界だけに限った話ではないと思います。
私は今は、設計者という、いわば「上層部」に属する立場で仕事をしています。
でも、その前は、いろいろな仕事を転々としてきたこともあり、「下」から「上」がどんなふうに見えるかもある程度わかります。
「下」が口を閉ざすとき、というのがどんなときなのか、それもわかります。
だからこそ、
職人の顔が見える家づくり
を訴え続けているのです。
人としての誇りが持てなければ、良い仕事なんてできるわけがない。
「大手だから安心」なのではありません。
現場の仕事は人間がやるんです。
一人一人に心と誇りがあるはずです。
それを金の力でこなごなにしてしまったら・・・
それが表面化したのが今回の事件だろうと、私は思うのです。
人として、その技能に尊敬の念がはらわれたとき、人は最も良い仕事をするのだと、私は思います。
そして、そうありたいと願う仲間とともに、この先も家づくりを進めてゆきたいと、あらためて思います。
草空間設計HP http://island.geocities.jp/hacobera/index.html
PR
先日、施主さんといっしょに太い柱になる木を伐りに行きました。
岐阜県の山です。
建てる場所は愛知県で、設計はまだ始まったばかりですが、今がちょうど伐り旬なのと、これから自然乾燥をしてゆけば実際に使う頃にはちょうど良い具合になっているということで、伐採業者さんにお願いして立ちあわせてもらいました。
柱になる木
私たちが行くとすでにしめ縄がしてありました。
これから施主さんと儀式を始めます。
施主さんや作業員がお参りします。
いざ、伐採。あっという間でした。
伐り口
これで約80年生の桧です。
玉切りと枝払いをします。
これから他の木とともに半年ほど寝かされます。
施主さんも感動ひとしおでした。
草空間設計HP http://island.geocities.jp/hacobera/index.html
岐阜県の山です。
建てる場所は愛知県で、設計はまだ始まったばかりですが、今がちょうど伐り旬なのと、これから自然乾燥をしてゆけば実際に使う頃にはちょうど良い具合になっているということで、伐採業者さんにお願いして立ちあわせてもらいました。
私たちが行くとすでにしめ縄がしてありました。
これから施主さんと儀式を始めます。
いざ、伐採。あっという間でした。
これで約80年生の桧です。
玉切りと枝払いをします。
これから他の木とともに半年ほど寝かされます。
施主さんも感動ひとしおでした。
草空間設計HP http://island.geocities.jp/hacobera/index.html
愛知県で五角形の住宅の上棟がありました。
かなり難しい仕口になるため、大工さんはそうとう頭を悩ませたようです。
朝8時頃から始まった上棟の午前中のメインエベントはここ。
3本の胴差しが5寸の通し柱に集まる部分。
通し柱の断面欠損を少なくしながら横材の力をきちんと受けて伝えるための仕口を、大工さんは工夫してくれました。
斜め、斜め、と追ってきた胴差しが一点でぴたっと納まった写真です。
クレーンで吊れない場所の梁を手で上げているところです。
午後の、というより、本日のメインエベントはなんといってもこれ。
斜めの登り桁に、斜めの登り梁が架かるところ。
これが納まるまでは気が休まらないと言っていた大工さんも、すべての梁が、ぴたり、と納まるとほっと安堵の表情。
お施主さんは車を作っている人ですが、この規模のこの複雑さの構造が、ぴたり、ぴたりと納まってゆく様子をしきりと感心しながら眺めていました。
無事、夕方までに棟も上がって、上棟は終了です。
草空間設計HP http://island.geocities.jp/hacobera/index.html
かなり難しい仕口になるため、大工さんはそうとう頭を悩ませたようです。
朝8時頃から始まった上棟の午前中のメインエベントはここ。
3本の胴差しが5寸の通し柱に集まる部分。
通し柱の断面欠損を少なくしながら横材の力をきちんと受けて伝えるための仕口を、大工さんは工夫してくれました。
斜め、斜め、と追ってきた胴差しが一点でぴたっと納まった写真です。
クレーンで吊れない場所の梁を手で上げているところです。
午後の、というより、本日のメインエベントはなんといってもこれ。
斜めの登り桁に、斜めの登り梁が架かるところ。
これが納まるまでは気が休まらないと言っていた大工さんも、すべての梁が、ぴたり、と納まるとほっと安堵の表情。
お施主さんは車を作っている人ですが、この規模のこの複雑さの構造が、ぴたり、ぴたりと納まってゆく様子をしきりと感心しながら眺めていました。
無事、夕方までに棟も上がって、上棟は終了です。
草空間設計HP http://island.geocities.jp/hacobera/index.html
カネじゃない。魂で作る。(もちろんお金は必要ですが)
心意気をもった頑固な職人はいまや「絶滅危惧種」となってしまいました。
20年前なら普通のサラリーマンが手の届く金額でできた家が、同じことが今はできないのです。
あのバブルとその崩壊の時にも、良い職人はガクンという感じで消えてゆきました。
カネにあかせて人をかき集め、良いも悪いもごちゃまぜのまま荒い仕事をさせた結果、職人たちのウデが戻らなくなってしまいました。
そして続いたその後のデフレ時代。
安く、早くばかりを求める風潮の中で、「50年先のこの家のために、見えないところにもう一手間かける」という職人はどんどん減ってゆきました。
工務店も我慢して職人に良い仕事をさせるということがなくなってゆきました。
背に腹は代えられない、ということでしょう。
その結果、
引退をする職人の跡継ぎがいない。
若い職人を育てられる良い仕事がない。
「おれみたいな馬鹿はおれの代だけでいい。息子にはこんな苦労はさせたくないよ。」
そんな言葉も何度か聞きました。
カネで職人たちの頭を叩き続けているうちに、皮肉なことにいつのまにか「質が落ちて高いもの」しか手に入らないような時代になってしまったのです。
昔は普通に手に入った仕事が、どんどん手に入りにくくなっています。
このままいけば、10年もしたら「普通の人」はちゃんとした木造住宅を建てられなくなってしまうのではないかとさえ思います。
施主や設計者が、「人」や「仕事」を見る目を持たないと、本当にそうなってしまうでしょう。
このところの消費税駆け込みの狂乱を見ていて、ふと思ったことです。
草空間設計HP http://island.geocities.jp/hacobera/index.html
心意気をもった頑固な職人はいまや「絶滅危惧種」となってしまいました。
20年前なら普通のサラリーマンが手の届く金額でできた家が、同じことが今はできないのです。
あのバブルとその崩壊の時にも、良い職人はガクンという感じで消えてゆきました。
カネにあかせて人をかき集め、良いも悪いもごちゃまぜのまま荒い仕事をさせた結果、職人たちのウデが戻らなくなってしまいました。
そして続いたその後のデフレ時代。
安く、早くばかりを求める風潮の中で、「50年先のこの家のために、見えないところにもう一手間かける」という職人はどんどん減ってゆきました。
工務店も我慢して職人に良い仕事をさせるということがなくなってゆきました。
背に腹は代えられない、ということでしょう。
その結果、
引退をする職人の跡継ぎがいない。
若い職人を育てられる良い仕事がない。
「おれみたいな馬鹿はおれの代だけでいい。息子にはこんな苦労はさせたくないよ。」
そんな言葉も何度か聞きました。
カネで職人たちの頭を叩き続けているうちに、皮肉なことにいつのまにか「質が落ちて高いもの」しか手に入らないような時代になってしまったのです。
昔は普通に手に入った仕事が、どんどん手に入りにくくなっています。
このままいけば、10年もしたら「普通の人」はちゃんとした木造住宅を建てられなくなってしまうのではないかとさえ思います。
施主や設計者が、「人」や「仕事」を見る目を持たないと、本当にそうなってしまうでしょう。
このところの消費税駆け込みの狂乱を見ていて、ふと思ったことです。
草空間設計HP http://island.geocities.jp/hacobera/index.html