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草空間設計
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被災者生活再建支援法による支援金の区分は次の4つに別れます。

 浸水深さ:床上1.8m以上(全壊)・・・・・・・・最大300万円

 浸水深さ:床上1m以上1.8m未満(大規模半壊)・最大250万円

 浸水深さ:床上1m未満(半壊) ・・・・・・・・原則対象外

 浸水深さ:床下浸水(一部損壊) ・・・・・・・・対象外

 ただし、水圧や流木などで外壁に一定の損傷がある場合という条件がつきます。
 上位2つとこの条件を満たした場合、支援の対象となります。


さて、この区分(基準)にどういう意味があるのか?
について、若干の疑問を覚えたので、現場の専門家の立場から
実際にはどのような補修が必要となるのか、お話ししてみたいと思います。

まず、床上浸水1m以上と1m未満では何が違うのか。

たとえ、浸水が80センチだったとしても、畳、絨毯はもちろん、フローリングも全て取り替えざるを得ません。家財道具もほぼ全てダメでしょう。
この点、「1m以上」と何も変わりません。
外壁に大穴が開く「損傷」を受けていようといまいと、外壁は防水構造ではありませんから、80センチであろうと1.5mであろうと、壁の内部も浸水したところまで水に浸かっています。
断熱材が繊維系であるなら、この時点で全てダメです。
木造なら、内部の構造部材は洪水の汚染された水によって腐朽菌などが付着していますから、将来その部分が腐食し、耐震性能が著しく落ちることにもなりかねません。できれば洗っただけではなく部材を取り替えた方がいいです。
最低限、洗って消毒する、というような処置をしておく必要はあろうかと思います。
そのためには壁を一度剥がさなければならず、これらの点も、1m以上と未満で何の違いもありません。

さて、次は床上浸水床下浸水の違いですが、
これは大きく被害が違ってきます。

床下浸水の場合、まず、畳や絨毯、家財道具などが無事です。
ただし床の下地材はダメになりますので、ほぼ取り替えになります。
フローリングはムクの板であれば、剥がしてもまた使うことができる可能性大です。

木造の場合、土台まで浸かったか、基礎の高さより低かったかでも、被害とその後の補修費が大きく違います。
土台は重要な構造部材ですから、これが将来腐るような事態は避けておかなければなりません。
ただ、床上浸水の場合と違って、床を剥がすだけでほぼ全ての修理が可能ですので、費用は格段に安く済みます。
基礎まで浸かっただけの場合は、洗浄と床束(木製の場合)の取り替えだけで済む可能性が大ですから、居住者の「大変感」のわりには修理費は少なく済みます。


以上のことから、床上浸水と床下浸水には被害回復の経済的負担に大きな差が生まれますが、
ひとたび床上20センチ程度以上浸かってしまえば、柱が折れるなどの激しい損壊が加わらない限り、被害回復の経済的負担はさほどに変わらないーーーというのが、「現場」を知る私の見方です。


草空間設計のHP   
https://soukuukan.jimdofree.com
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